ぎしんでんふろくたいび
『儀臣傳附録大尾』(e3504)B5版、77頁。ワードファイル、9.04MB。定價\3,300.-(未課税定價\3,000.-)
本書は、忠臣藏として知られる赤穂義士による吉良邸討ち入りの物語の中で、討ち入り達成を舊主の墓前に報告し、細川越中守に預けられた大石内藏が、事件の重要問題について十五箇條の尋問を受けて、それに應へた内容である。本文は「大石内藏御紀明十五个條之御不審也一々御答書」で始まる。ただ、前表紙の裏には、「この前に上たし、三枚ばかりある」と書いてある。そして、本文末には、「元治元年子孟秋吉日 惡筆写之」とあるので、原本の三丁を省略して轉冩したと見られる。
記事の内容は、與野書房で既に發行してゐる電子書籍『義士難問言開録』とほぼ同じであるが、項目立てが異なる外に、文章なども異なるので、同じ原本から直接轉冩したものでは無ささうである。兩者を併はせて讀み比べるのも一興かと思ふ。
中見出し項目の概要は次の通り
大勢徒党を組んでの亂暴狼藉は不届き
幕府の膝元での公儀を恐れぬ仕方
夜中の行動は盗賊に等しい
火事装束で火事と騒ぎ立てたこと
表門を打ち破り押し入つたこと
一味同心數百人で圍んだ、その者どもは何処へ
當夜の討ち入りは四十六人に相違無いか
陪臣の身で高家へ押し入るは身分不相應
夜中の行動では松明か桃燈か何れを持參か
長い武器を使つたのは不法である
戰場でないのに鳴り物を使つた
采配を使ふのは戰爭なみで、一揆と同じ
相手は上野介一人でよいのに親子に傷を負はせた
外にも手引きをした仲間がゐたのではないか
赤穂を引き拂つた時から幕府に對して存念があつたのではないか