『かたぎ枕　親孝行草』（e3612）

『孝行目覺し艸』(e3613)

　　・　　

かたぎまくら　おやこうこうぐさ　・　こうこうめざましぐさ

『かたぎ枕　親孝行草』（e3612）ワードファイル、10.1MB。定價\3,850.-（未課税定價\3,500.-）

　本書は、表紙に「かたぎ枕　親孝行草　仝」とある筆冩本を複製したもので、原本の外形は、天地四寸（122mm）、左右幅五寸六分（170mm）。表紙を含め、六枚を四つ折りにして、横長に綴ぢてゐる。筆冩の氏名や年月、地名など記されてゐず、由來も不明である。表紙の表題の肩書きに「かたぎ枕」とあるが、本文の始めに「堅枕をかたむけて、耳の痛さに余所ながら」とあることから、これは、「堅木」と「堅氣」を兼ねて、耳の痛い、眞人間の�ﾍ訓であることを示してゐよう。
　前表紙の見返しに「日和者の哥　雨降れば、谷も廣瀬も、川わけて、はれるを神に祈りつるかな　赤馬引に口傳」とあり、後表紙に「馬のそらやむ時の哥　しおやまに、しをづかつくる、しおづなに、わがむまつ、なれむまのそらやむ」とある。「そらやむ」は「空病」で假病のことか。いづれも「孝行」との關聯は不明。

　本書は、表紙に「孝行目覺し艸　仝」とある筆冩本を複製したもので、原本の外形は、天地四寸（122mm）、左右幅五寸六分（170mm）。用紙を四つ折りにして、横長に綴ぢてゐる。原本は『善惡種蒔鏡』と『かたぎ枕　親孝行草』を併はせて綴ぢてあつた。
　　前表紙の見返しに「能因法師雨乞時」と題して「天乃川、なわしろ水に、せきくだせ、あまくだり、ます神ならは、神」とあり、「白馬引◇口傳」とある。これは『かたぎ枕　親孝行草』の前表紙の見返しに「日和者の哥　雨降れば、谷も廣瀬も、川わけて、はれるを神に祈りつるかな　赤馬引に口傳」とあるのと對應してゐると見えるが、いづれも「孝行」との關聯は不明。
　　本文は、「一　御公儀樣より被仰出候御法度之儀疎略に致さぬやうに地頭領主之御掟違背致さやう、云々」と始まつてゐるので、何らかの公的な書き物が原本になつてゐると予想出來る。
　　後半三分のに二ほどは歌が収録されてゐる。全體に墨や朱で振り假名が施され、朱で歌謡の頭記號を記してある。最後の折り丁は無地で後表紙と成つてゐるが、これも含めて電子化した。