『一心太助物語』（e3608）

　

いっしんたすけものがたり

『一心太助物語』（e3608）ワードファイル、165MB。定價\8,250.-（未課税定價\7,500.-）

　　本書は江戸時代の初期の實在人物、大久保彦左衛門を題材にした物語の書き本で、劍の達人である穀物商人、松前屋五郎兵衞が武家により落とし入れられたのを知つた一心太助が大久保彦左衛門に助けを求めて、事件を解決する物語でこの一冊で完結してゐる。原本は、天地丈二百四十五粍、左右幅百六十八粍、束厚さ十一粍、前後の表紙を含めて九十五丁。前後表紙の見開きに貸本屋印らしい直徑二十八粍の丸い墨印があり、上部に山型に枡標、その下に「枡清」その右に「江州」、左に「日野」と讀めるので、元來は貸本屋の廢棄本であつたとみられる。癖の強い書體で書かれてゐるが、古文解讀演習の實際資料と成しうる。最初には讀めない文字を跳ばし讀みしても、徐々に筆者の癖が掴めて來よう。
　　原本表紙には「大久保彦左衛門」とのみあり、本文巻頭には「大久保彦左衛門戴拜續卷上」とあるので、この電子書籍では、書名を『一心太助物語』とし、副題を「大久保彦左衛門戴拜續卷上」とした。