ごうるいにちようりょうりしょう
『合類日用料理抄 巻二 巻四』(e3606,7)ワードファイル、21.9MB 24.3MB。各定價\2,200.-(未課税定價\2,000.-)
巻二は天地丈 百七粍、左右幅 百五十九粍 全部で十九丁の小型本を電子的に複製したもので、表紙の題箋は剥落し、本文巻頭に「合類日用料理抄巻二」とあることから、これを書名とした。筆者や板元は不明であるが、網際通信ではこの袖珍本の揃ひと見られる全五巻のものが複數箇所で紹介されてゐて、本書は、その第二巻に相當する。
内容は、餅類と麺類と菓子類の基本料理の手順を示したもので、餅類では栗餅、葛餅、外郎餅、朝比奈粽など二十三種、麺類では蕎麥切り、葛切り、玉子素麺など十四種、菓子類では、羊羹、落雁、かすてらぼうろなど十八件の製作手順が紹介されてゐる。書の形態が袖珍本であることから、實用的な料理手引き書とみられ、その多様な調理法、材料から、往時の食生活の豊かさが感じられる。とりわけ、現在ではあまり一般的ではない物も多く紹介されてゐて、それらの外觀や味は如何なるものか、興味がそそられる。
後表紙の見返しには、舊藏者の書き込み「やうかんの法」があり、それも収録した。
△餅の類
寒晒し餅、もろこし餅、栗餅、すいひ餅、とち餅、葛餅、外郎餅、牛蒡餅、宗及餅、犬滿餅、油餅、山椒餅、椿餅、焼き餅、さつき餅、麩餅、巻き餅、餡團子、ふの焼き、高麗ふ、葛焼き、笹粽、朝比奈粽
△麺類
蕎麥切、蕎麥切秘傳、蕎麥切ゆでて 、茨木饂飩、切り麦、麦切り、葛切り、紅粉切り、薯?麺、葛素麺、玉子素麺、水繊、緑豆、?苡仁拵へ様
△菓子の類
羊羹、落雁、求肥飴、同求肥飴、飴ねり様、ある米糖、かすてらぼうろ、しり飴、法録煎餅、雪煎餅、高麗煎餅、柿煎り、薯?繊、ししらく、ひりやうす、千鳥、かせ板、求肥
△舊藏者の書き込み やうかんの法
巻四の内容は、魚と鳥を材料とした基本料理の手順を示したもので、魚の場合、鮨、鹽漬、鹽辛、鱠、指し身、蒲鉾がそれぞれ各種、合計三十五件、鳥の場合、鳥膾、鳥生皮の料理、ゆで鳥、煮鳥、煎り鳥、鳥餅、たたき、など二十五件の異なる料理が紹介されてゐる。書の形態が袖珍本であることから、實用的な料理手引き書とみられ、その多様な調理法、材料から、往時の食生活の豊かさが感じられる。とりわけ、現在ではあまり一般的ではない、鮒鮨、蛤の鹽辛、烏賊の蒲鉾、あるいは雁、鴨、鳩、雉子の各種料理なども紹介されてゐて、食材種の豐富さも興味深い點である。