かたきうちくにぐにじゅんれいむすめのいさみ
『 敵討國順礼女勇 巻之二』(e3501)ワードファイル、37.4MB。定價\3,630.-(未課税定價\3,300.-)
本書は表紙に『敵討國順礼女勇 巻之二』とある四十二丁からなる筆冩本を複製したものである。
物語は伊勢國飯高郡阿波曽村嘉六の妻は懐胎の身で順禮に出て殺されるが、その屍體から生れた娘がお捨てと名付けられて成長する。それと知らぬ嘉六は、妻の敵を求めて六十六部となり、大和郡山で阿波曽村嘉六の妻の娘お捨による仇討仕合のあることを知り、自分が阿波曽村嘉六であると申出て、父子で敵討を行ふ。この物語は、既に別途、電子化複製されてゐる書き本、『御縫親孝行噺』の中で、劇中劇として講談師が語る物語と一致する。そして、また別に電子化複製されてゐる筆冩本の端本である『西國順禮女武勇記 巻之十三拾四十五』の物語とも一致するが、何れも、原本は異なるらしく、文體や物語の細部は一致しない。
本書は「巻之二」とあり、綴ぢ代には「卅」から丁番號が振られてゐる事から、「巻之一」が缺損してゐることが判り、本書では敵、大隅藏人が刀研ぎ屋で殺人を告白する場面以降、出家した嘉六とお捨の終焉までの話である。文字は癖が強く拙く、後表紙には所有者のものらしい地名と氏名、そして「御歳拾七才」と書かれてゐるので、文字練習を兼ねた筆冩かも知れない。
本書の書名として「敵討國順礼女勇」として、讀みは「カタキウチクニグニジュンレイムスメノイサミ」とした。
『西國順禮女武勇記 第十三、四、五巻』 『御縫親孝行噺』 『御縫親孝行噺・解讀篇』