わたしのなばりことば
東川吉嗣著『私の名張言葉』(e3404)ワードファイル、182KB。定價\3,300.-(未課税定價\3,000.-)
本書は筆者、東川吉嗣が昭和二、三十年代に三重縣の名張で使つたり耳にした言葉を思ひ出しながら紹介するもので、平成十四年十二月朔日から網際通信の網上頁『いがのくにふるさとはなし 伊賀國』に「言葉の思ひ出」として紹介してきた記事などをもとに纏めたものである。
筆者は昭和二十一年に三重縣名賀郡箕曲村夏見に生れ、この土地は後に名張市夏見となつたが、後に高等學校を卒業して名張から離れるまで夏見の大川沿ひの街道筋に育つた。筆者の言語世界を造りあげてゐる基礎部分に幼い自分を育てあげた名張言葉が占めてゐることは確かではあるが、名張を離れてからの國語生活のはうが時間的には壓倒的に長く、自分で文章を書き、あるいは他人{ひと}の文章を扱ふ職業生活が長かつたことから筆者の國語生活の中に占める名張言葉の量的比重は今や、極く小さなものとなつてゐる。ここに紹介する「名張言葉」は一般の所謂「方言集」といふよりも、筆者自身の言語體驗の中から幼い頃の思ひ出を集めたものである。
併はせて、名張言葉に關聯して、「伊賀のヘへ」、「遊び歌や口ずさみ」、「人の名と家の名」、「「言ふ」を「ユウ」と言ふこと」、および「伊賀國中知山村地誌取調書の方言報告」について考へを掲載。